転職してから1年が経ちました。
公立高校から私立高校へ。28歳での転職から1年間、現場で感じたことを正直に書きます。
「転職してよかったか」「後悔はないか」——結論から言えば、よかったと思っています。 ただし、バラ色の話だけを書くつもりはありません。きつかったことも、想定外だったことも、全部書きます。
転職前の私の状況
転職を決めた理由は、主に2つでした。
月の残業時間が200時間を超えたこと。 そしてその200時間が、すべて無給だということ。給特法のもと、教員の残業代は出ない。部活も補習も深夜の準備も、「教員だから当然」で処理される。
家族ができたこと。 子どもとの時間が削られていく中で、このままでいいのかという気持ちが限界を超えました。
転職先として私立高校を選んだ理由は、「基本給を維持しながら、働いた分だけ手当が出る環境に移りたかった」からです。
1年後のリアル:よかったこと
仕事以外の時間が劇的に増えた
転職して一番大きく変わったのは、時間です。
公立時代、月の残業時間は200時間を超えていました。それが私立に来てから、月30時間程度になりました。
170時間。毎月170時間が、自分の時間として戻ってきた。
この変化は、数字で見るよりずっと大きいものがあります。夜に家族と食卓を囲める。週末に子どもと出かけられる。自分の趣味や勉強に使える時間がある。「当たり前」のことが、当たり前にできるようになりました。
転職してよかったと感じる理由の9割は、ここに集約されます。
やった分だけ評価される実感
公立時代、どれだけ頑張っても給料は変わりませんでした。「やらないもの勝ち」という空気が、じわじわと仕事へのモチベーションを削っていた。
私立に来てから、補習や部活指導に手当が出るようになりました。それだけでなく、成果を出すことへの評価がある環境というものが、仕事への向き合い方を変えました。
同じ「授業を教える」という仕事でも、評価の有無でこれほどモチベーションが変わるのかと、改めて実感しています。
1年後のリアル:きつかったこと
最初は文化の違いに戸惑った
公立と私立では、職場の文化が少し違います。
意思決定のスピード、保護者対応のトーン、行事の進め方——細かいところで「こういうやり方なのか」と戸惑うことはありました。どの職場でも最初の1年はそういうものだと思いますが、それなりに適応コストはありました。
授業準備は最初しんどかった
生徒のレベルや授業スタイルが変わったことで、最初の学期は授業準備に時間がかかりました。
公立時代に作った教材がそのまま使えないことも多く、ゼロから作り直す場面も。慣れるまでの半年間は、この点で消耗した部分があります。
ただ、**業務内容そのものはほとんど変わりません。**授業をして、生徒と向き合って、成績をつける。教員の仕事の本質は同じです。「転職したら全然違う仕事になる」という不安があるなら、それは杞憂だと思います。
「思ったより大変じゃなかった」が正直な感想
転職前、私は転職後の生活を少し怖れていました。「環境が変わって、ついていけなかったら」「全然違う文化に馴染めなかったら」という不安がありました。
実際には、思ったより大変じゃなかった。
文化の違いはあった。最初は授業準備も大変だった。でも、教員としての仕事の本質は変わらないので、「全然違う世界に飛び込む」感覚はありませんでした。
転職の怖さの多くは、「知らないこと」から来ています。やってみると「こんなものか」と感じることの方が多い。
1年後の結論
公立から私立への転職を振り返って、正直な評価を書きます。
よかったこと
- 月200時間→30時間へ。時間が圧倒的に戻ってきた
- 家族との時間が確保できるようになった
- 働いた分だけ評価される環境になった
- モチベーションが上がった
きつかったこと・想定外だったこと
- 最初の半年間は文化適応と授業準備で消耗した
- 育休が取りにくい環境だった(これは誤算だった)
- 私立学校の経営安定性への不安(少子化問題)
総合すると、転職してよかったと思っています。ただし「すべてが解決する魔法」ではない。公立にあって私立にないものもある。それも含めた上での判断です。
「私立転職」が向いている教員
1年間の経験から、こういう人には私立転職が向いていると感じています。
- 給特法の「無給残業」に強い不満がある
- 評価される環境で働きたい
- 教員という仕事自体は好きで、続けたい
- 家族や自分の時間をもっと確保したい
逆に、雇用の安定性を最優先にするなら公立の方がいいと思います。私立は少子化の影響を直接受けるリスクがある。これは事実として受け止めています。
どちらが正解かは、何を重視するかによって変わります。
まとめ
転職から1年。月200時間の無給残業が30時間になった。 これだけで、私の生活は大きく変わりました。
「転職するべきか」を判断するには、まず自分の選択肢を知ることが必要です。転職エージェントに相談すれば、自分の条件に合った私立学校の求人を紹介してもらえます。登録は無料で、転職を決める義務もありません。
まず情報を得ることから始めてください。
この記事を書いた人:ぶたまる 現役高校数学教師。28歳で県立から私立へ転職し、現在も教壇に立つ。月200時間超の残業が30時間になった経験をもとに発信。→ 運営者プロフィール