月の残業時間が初めて200時間を超えたとき、私は初めて本気で「辞めたい」と思いました。
その200時間が、すべて無給だということが頭から離れなかった。給特法のもとで、残業代は出ない。部活も、補習も、深夜の準備も、全部「教員だから当然」で処理される。
さらに家族ができて、子どもとの時間が削られていくのを感じたとき——このままでいいのか、という気持ちが限界を超えました。
この記事は、そのときの私と同じ気持ちでいる教員のために書きます。**「辞めたい」と思ったとき、最初に何をすればいいか。**そして私が1年以上無駄にした理由も、正直に書きます。
「辞めたい」と思うのは、あなただけじゃない
教員の離職・転職希望者は年々増えています。文部科学省の調査でも、精神疾患による休職者数は過去最高水準で推移しています。
でも周囲には言いにくい。「公務員なのにもったいない」「子どもが好きじゃないの?」——そんな言葉が返ってくることを、経験上知っているから。
だから多くの教員が、一人で悩む。私もそうでした。妻にも、しばらく言えませんでした。
まず伝えたいのは、あなたの感覚はおかしくないということです。
多くの教員がまずやること——そして1年以上無駄にする理由
「辞めたい」と思ったとき、ほとんどの人がまずやることがあります。
ネットで「教員 転職」と検索する。
私もそうでした。でも検索してみると、情報がほとんどない。あっても「元教員」が書いた体験談か、エージェントの広告ページばかり。自分ごととして考えられる情報に、なかなかたどり着けなかった。
結果、私は1年以上をネット検索だけで費やしました。「もう少し情報が集まってから」「もう少し状況が変わってから」と先延ばしにし続けた。
今振り返れば、ネット検索だけでは何も変わらないとわかります。情報を読んでも、自分の市場価値はわからない。選択肢も見えてこない。気持ちだけが消耗していく。
最初にやるべきことは、「転職エージェントへの登録」だけ
結論を先に言います。
教員を辞めたいと思ったら、転職エージェントに登録する。これだけです。
「登録する」ことと「転職する」ことは、まったく別のことです。
- 登録しても、転職しなくていい
- 登録しても、面接を受けなくていい
- 登録しても、内定を断っていい
エージェントは、あなたが転職を「決めてから」使うものではありません。「どうしようか迷っている段階」から使うためにあるサービスです。
私が登録して最初に得たのは、「教員にも一定の需要がある」という事実でした。それだけで、気持ちがずいぶん楽になりました。
登録に感じた4つの不安と、実際のところ
正直に言います。私も登録するまでに、いくつか怖さがありました。同じ不安を持っている人のために、実際どうだったかを書きます。
不安①「就活未経験で大丈夫?」
私は大学卒業後、教員採用試験しか受けたことがありませんでした。履歴書の書き方も、面接の受け方も、まったくわからない状態での登録です。
実際は、担当者が一から教えてくれました。「履歴書はこう書きます」「面接ではこういう質問が多いです」と丁寧にサポートしてもらえた。就活未経験であることは、まったく問題ありませんでした。
不安②「教員は市場で価値がないのでは?」
「民間に出たとき、教員という経歴は評価されないのでは」「エージェントから厄介者扱いされるのでは」と思っていました。
実際は、教員経験は一定の評価を受けます。コミュニケーション能力・説明力・責任感——これらは民間でも求められるスキルです。また、教育業界(学習塾・予備校・EdTech)への転職では強みになります。
ただし、年収を大幅に上げることは難しかった。これは正直に伝えておきます。
不安③「登録したら断れない?押し売りされる?」
「登録したら、無理やり転職させられるのでは」という不安もありました。
これは誤解です。担当者は転職を強制しません。「今すぐでなくていい」と言ってくれるエージェントも多い。合わないと感じたら、退会もできます。
不安④「登録に費用がかかる?」
転職エージェントへの登録に、お金がかかると思っていました。これは完全な誤解でした。
**転職エージェントへの登録は、求職者側は完全無料です。**エージェントは企業側からフィーをもらうビジネスモデルなので、登録者が費用を払うことは一切ありません。
教員転職に「慣れた」エージェントを選ぶことが重要
複数のエージェントを使ってみてわかったことがあります。
担当者によって、対応の質がまったく違う。
良かった担当者は、「教員の転職を支援したことがあります」と最初に言ってくれました。教員特有の事情(年度途中の退職が難しいこと、採用試験しか経験がないこと)を理解した上で話してくれた。
一方で、あまり時間をとってもらえない担当者もいました。教員転職の経験が少なく、一般的なアドバイスしか返ってこない印象でした。
「教員の転職をサポートした経験がありますか?」——最初の面談でこの一言を確認するだけで、エージェント選びの精度が上がります。
まとめ——1年間悩んだ私が言えること
「辞めたい」と思ってから転職エージェントに登録するまで、私は1年以上かかりました。
その1年間、私はネット検索だけして、何も変わらなかった。
今なら言えます。
「転職」にリスクはあります。でも「転職活動」にリスクはありません。
登録するだけなら、何も失いません。現在の職場に知られることもない。無料で、自分の市場価値と選択肢が見えてくる。
「辞めるかどうか」は、情報を得てから考えれば十分です。まず動く。それだけで、気持ちが変わります。
この記事を書いた人:ぶたまる 現役高校数学教師。10年の教員経験を経て、28歳で県立から私立へ転職。転職活動中に複数のエージェントを経験。現在もこのサイトで、教員のキャリア情報をフラットに発信中。→ 運営者プロフィール